【第十回】海外就職成功者インタビュー

ミャンマー/桂川融己さん/フリーランス

日本での“安定”した生活から離れて、現在フリーランスとして活躍されている桂川さん。ご自身で様々な事を選択されて、果敢に挑戦されている姿は非常に逞しく、後に続く方が一人でも多く増えたら嬉しいなと思っております。

社会人になってから今に至るまでを教えてください

新卒で日本生命に入社し、はじめ3年間は、縁もゆかりもなかった石川県金沢市で勤務。その後、東京へ異動になり、営業管理職の教育をする部署で4年9カ月。基本2−3年で異動があるので、部署内で長老化してました。笑

メンバーは魅力的な人ばかりで、仕事も面白かったんです、本当に。間違いなく自分にとって「社内で1番面白い部署」でした。30歳を前にして、ふと学生時代から頭の片隅にあった「英語」「海外」のワードが浮かび、油ののった時期(当時29歳)にこれまでと異なる環境で挑戦したい!もっと成長したい!と、ミャンマー行きを決めました。ミャンマーを選んだのは、知人や友人がいなかったから。挑戦したいのに、誰かに頼り切るのは、嫌だったのです、当時は。笑ミャンマーでは、日系企業向け人材紹介会社で2年間働いた後、意図せずフリーランスになりまして。笑

それから、ミャンマーに住みながら、フリーランスとして生きてます。

現在はどのようなお仕事をされていますか?

今は、ミャンマーのビジネス情報を提供する雑誌「Myanmar Business Partners」にライターとして文章を書いたり、編集者として編集をしたり、がメインです。他にも、マーケティングのサポートをしたり、リサーチを請け負ったり、新たなビジネスを立ち上げようと動いたり、なんか色々やってますね、挙げてみると。どれが仕事なのか、よくわからない状態です。笑 いつか、きっと繋がる、巡り巡って戻ってくる、と思ってますが。

とりあえず今この瞬間は、フリーランスとして、動いていますが、今後どうなるかはわかりません。笑

ミャンマーで必要なものは揃いますか?

以前に比べて、ミャンマー国内で手に入るものはかなり増えました。それでも、まだまだ追いついていない部分は多いので、買い物などは日本に戻った時かタイに旅行に行った時に買ってます。あとは、日本人が安心して行けるような病院もまだ少ないので、年配の方とかは少し困るかもですね。ただ、日本でも田舎の方だったら入手困難な物もあると思うので、一概に東南アジアだから!とは言えないと思います。

逆に、日本よりも圧倒的に安くご飯が食べられるし、お得な面も多いです。ただタイやベトナムと比べても、揃わないものは多いし、日本では、なんでも安く揃うので、やっぱり日本はすごいです。

治安はいかがでしょうか?

この国の治安は非常に良いです。他の東南アジアの国と比べても圧倒的にいい印象です。一部、トラブル案件も耳にしますが、それは日本も同じこと。私は4年超生活していて身の危険を感じた事は、記憶の限りはありません。ラリってるのか、運転が超危険なタクシードライバーに当たった時くらいでしょうか。あと、道路に穴が空いていてハマった、とかはありますが。笑

治安ではないですが、野犬が怖いですね。(笑)道路にいる犬に噛まれたらすぐに病院に行って狂犬病のワクチンを打たないといけないですし、ワクチンが手に入らないケースもあるので。リアルに、死が隣にありますからね…

でもミャンマーの方は英語も伝わるし、親切だからその点は安心です。困っている人は助けるのが当たり前の文化、があるように感じます。ただ外国人が増えて、悪い人が増えている現状もあるようですし、やっぱり海外なので、夜中の一人歩きとか、それ相応の注意はすべきだと思います。注意してれば、よほど安全ですよ。

移動手段は何を使っていますか?

普段は主にGrabを使用します。以前は、すべてドライバーと交渉してました。1年くらい前に、UberとGrabが来て、戦ってましたが、今はUberが撤退してGrabだけになりました。あとはローカルの配車アプリがまた出てくるようです。UberやGrabが出来てぼったくりが減ったので、初めて来てミャンマーの相場が分からない方でも安心して乗れます。また忘れ物をしても、運転手に連絡できるし、身元が割れてるので、ドライバーも悪いことをしにくいし、安全面のメリットも大きいです。

1つ難点は、アプリで車を呼んで「今から行きますー」って通知が来て、地図を見たら渋滞がひどくて「絶対そんなにすぐ来ないでしょ。」と思ってキャンセルしなきゃいけないケース。そんな時もあるので、場所によっては、交渉してtaxiに乗ったり、たまには、バスに乗ったりすることもあります。ヤンゴンはバイクの乗り入れが禁止されているので、バイクに乗っている人がいないです。その影響もあってか「東南アジア特有のクラクションの音がほとんどしない」と他国から来た人に言われることも。

とはいえ、たまーに夜中に日本でいう暴走族のような人々がバイクで走ってますが(笑)

普段料理はしますか?

物価が安いのと、料理するのが面倒くさいので、基本は外食で済ませています。たまに料理はしますが、料理といってもお米を炊いたり、お鍋をしたりするくらいですね。ルームシェアをしているので、皆で鍋を食べる事もあります。ローカル料理でお気に入りは、シャン料理というミャンマーの料理の中のシャン・ヌードル。米粉の麺を使用していて日本でいうタンタン麺みたいな感じなので、日本人の口には比較的合うと思います。1杯 100円程度から食べる事が出来るので、日本人の感覚からしたら格安です。お店を選べば、食費は、かなり安く抑えられます。

↑シャン・ヌードル

どういう所に住んでいらっしゃいますか?

僕はローカルのアパートに住んでます。(ランクでいうと、サービスアパートメント、コンドミニアム、ローカルアパートの順)今の部屋は、3部屋付いていて(階段で5階)5万円位。2部屋貸してルームシェアをしているので、家賃は安く抑えられます。

※ミャンマーは1年間家賃を支払わないといけないから費用の準備はしておくべきですね。

物価の割に、家賃は高いのがヤンゴンのネックかもしれませんが、それでも、以前に比べて安くていい物件が増えてきている印象です。

日本人の方も沢山いますか?

現地採用のニーズも増えていて、給料も上がってきているようなので徐々に増えてきています。ただ基本的には、駐在員の方が大多数ですね。住む!という事が出来れば、生活はしていけると思います(ここが1番ハードルが高い)し、選ばなければ、仕事も見つかると思います。日本も同じですよね。ただ、仕事の選択肢は当然、多くないのが現状です。よって、出口をきちんと持っていないと何の為にミャンマーに来たんだろう…という現象に陥ってしまう可能性があります。

その辺りはご自身の中でおおまかにでも、整理してから来る事をお勧めします。

最後に海外就職を考えている方にアドバイスをお願いします。

来たいと思うなら来たら良いし、したいと思うならしたら良いと思う。踏ん切りがつかないならつけたらよい。本当にそれに尽きると思います。何でも決めるには、勇気が必要です。何に恐れているのかにもよりますが、とりあえず今の環境を出る事は大切だと思っています。自分で決めた事なら後悔もしないし、ネガティブにはならない。日本から離れてしまうとまた日本のキャリアに戻れないのではないか…と心配する方もいますが、戻ったら強くなっているので絶対に大丈夫だと、僕は思っています。

東南アジアで活躍する仲間がもっともっと増える事を楽しみにしています。

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