【第五回】海外就職成功者インタビュー

カンボジア/杉山穂香さん/現地教師の育成講師

第五回目はカンボジアプノンペンにて現地教師の育成をしている杉山穂香さんにお話しを聞いてきました。学生時代から夢や目標をもって行動されている姿に、とっても勇気をもらいました。

カンボジア就職するまでの経緯を教えてください

私は、新卒でカンボジアに来ました。

スタディツアーで4年前にカンボジアに来たのがきっかけで、カンボジアを好きになりました。物資支援などは行っていましたが、カンボジアの教育レベルの低さに注目し、教育業界に携わりたいと思っていました。

そこで、今の団体に出会い、無理やり入らせてほしいとお願いしました。最初はアルバイトから始まり、日本の事務局で働いていました。そこからカンボジアの新規事業で人手が必要となり、カンボジアに行くことが決まりました。

日本ではなくてカンボジアで教育業界に携わりたいと思ったのは何故ですか?

大学時代に教員免許を取得しているので、日本に帰ってきてから先生になることは可能かな…と考えています。それを視野にいれた上で、カンボジアへ行こうと決めました。やりたいことは今の団体でやっていることですが、これから地域を広げていきたいと思っています。

今後はカンボジアで学んだことを、日本の子供たちに伝えていけるようにすることが最終的な目標です。

その熱意を面接ではどのように伝えましたか?

最初はカンボジアに行けるとは思っていませんでした。

今の団体を見つけた時に、面接の段階でカンボジアに行くことは決めているという旨は伝えました。なので、アルバイトするのも半年間という条件付きでお願いをしました。

就活をしないで『今の団体にいくことしか決めていない、カンボジアの事務局で活動したい』と思いを伝えたところ、日本の事務局で雇ってもらえました。

今の団体はあまり人を採用しないので、正直ラッキーだと思いました。

具体的なお仕事内容を教えて下さい

カンボジアの教員養成校に日本の元教員を派遣し、養成校の教師を育成しています。そもそも教員養成校の教師自体、良い指導方法を持っているわけではないので、良い指導ができるように理科や算数の指導法を中心にレクチャーしています。

カンボジアの教育公機関からも感謝されており、カンボジアに貢献できているのではないかと思います。

言葉の壁は大丈夫でしたか?

クメール語を話せなかったので、勉強をしました。そもそも、学校を建設している時に、全員がクメール語しか話せない状況だったので、独学で勉強しました。

カンボジア人は電話が好きなので、日本にいながらも電話で会話をすることでクメール語を学ぶ機会を増やしていきました。現在はクメール語の学校に通っています。

プノンペン大学の中に外国人向けの学校があるので、そこで勉強をしています。およそ3ヶ月で200ドル程度、平日5日間通っています。

仕事と両立させるのは大変ですが、クメール語を話せると相手も親近感を持って接してくれるし、とても有利になります。

カンボジアで生活している中で大変な事はありますか?

私自身はあまり感じていませんが、強いて言うなら常に泥棒やスリを気にしてないといけない事ですかね…

カンボジアは治安が良くないので、iPhoneなどはすぐに盗まれてしまいます。寝る時や外出する際には戸締りに気を遣っていますね。

カンボジアで生活していて楽しいと思うのはどんな時ですか?

日本と違って、ビールが安いですね。毎日飲んでいます(笑)ビールだけではなく、全体的に物価は安いと思いますね。先日、マッサージに行きましたが、1時間で5ドルとかだったのでとても安いと思います。

また、カンボジア人はフレンドリーで店員さんともすぐ仲良くなれるので、顔を覚えてもらえますね。街を歩いていると、みんな毎日挨拶してくれるのでとても楽しいです。

人によっては、日本人と違ってカンボジア人には真面目さが足りないと感じるかもしれませんが、だんだん慣れてくると思います。

1ヶ月あたりの生活費はどのくらいですか?

だいたいになりますが、家賃250ドル、光熱費20ドル、食費25ドル(自炊)、60ドル(外食)、日用品 15ドルってかんじですかね。

食材や日用品はどこで買う事が多いですか?

主に市場や大きなコンビニで買うことが多いです。日用品は日本の商品も売っているのですが、結構高いです。小さなシャンプーでも1つ12ドルくらいしますね。

日本の商品で欲しいものは日本の友人に送ってもらったり、日本に行った時に買ったりしています。

休みの日はどのように過ごしてますか?

イオンがあるので、ボーリングやゲームセンターで遊んだりしています。あと、お酒を飲みに行ったりしています。屋台であれば、たくさん杯飲んでも7ドルくらいで済むと思いますね。

 

お腹を壊さないようにしておくことは重要ですが…慣れるようになります(笑)

日本で過ごしている時と変わったことはありますか?

なんでも受け入れるマインドが強くなりました。

日本にいた時は、何か問題が起こった時にストレスに感じることも多かったのですが、カンボジアで過ごしていると何事も想定内に収まる、という考えに落ち着くようになりましたね。

「仕方ないか、でも頑張ろう~」という気持ちになりますね。日本で働いたことがないので、比較するのは難しいですが…

事務所はにぎやかでうるさいので(笑)会話をしながら仕事をすることが多いですね。でも、それって、みんな考えていることや感じていることをはっきり言ってくれる、ということに繋がると思っています。そこは日本と違って変なストレスを感じることはないですね。

本当に日本って変わった国なんだと思いますね(笑)

 

カンボジア人に対してどんなイメージを抱いていますか?

重複してしまいますが、真面目さが足りないと感じる事はありますね。ひとつひとつ指示を出すようにはしていますが、自分の仕事を全うしたら帰ってしまうという人は多いです。

でも、冷たいわけではないんです。カンボジア人は「思いやり」のマインドがとても強いので、困っている時は必ず助けてくれます。

ちょっと忙しそうにしていると、「大丈夫?」「元気?」と声をかけてくれますし、たまに同じ職場内なのにFacebookのメッセンジャーを使用して「仕事手伝おうか?」というメッセージを送ってくれることもあります(笑)

あと、カンボジアの人は、人のことをよく見ていると思います。カンボジア人自体、とても上下関係を大切にしているので、もしかしたらそこから人をよく見るクセがついているのかもしれないですね。

私自身も同僚に指示するときは、一言ワンクッションを挟んで、優しく伝えるように気を付けています。

カンボジアの人を一言で表すと、どんな言葉で表現できますか?

「素直」だと思いますね。髪を切ったり、ちょっと服のテイストを変えただけですぐに気付きますし、思ったことをそのまま伝えてくれるというか、変に飾ることなく話してくれる、自然体な姿で過ごしているのがカンボジア人の魅力ですね。

海外就職を考えている人にアドバイスをお願いします!

カンボジアの場合、マネージャーが日本人で部下がカンボジア人というパターンが多くあります。実際、その間を入っていけるのは、若い日本人だと思います。

私自身、この歳でカンボジアに来たからこそ分かる事がたくさんあると思います。色々な考え方や文化に触れることで、今の自分にしかできないことを見つけて仕事をしています。

自分にとって「働くこと」は何なのか?やりがいは何なのか?ということを考えて過ごすことが大切だと思います。日本は何でも揃っているからこそ気づかないことがたくさんあると思います。

「ないことを嫌だ」と言わずに、「ないなら、代用できるもの・あるものを探し活用する」ということがカンボジアで学んだことの一つです。これはとても良い考え方だと思いますね。

カンボジアの経済もこれからもっと発展していくと思いますし、是非カンボジアで新たなマインドを持って活躍する仲間が増えてほしいなと思います。

Comments are closed.